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リィーノ発達ゼミの応用編でお伝えしている『0歳児の運動発達シリーズ』
応用編は、基礎編「感覚ってなあに?」を受講してくださった方のみが受けられる講座です。
幼児になっても、小学生・中学生になっても、子どもたちの身体を見る上で欠かせない視点が運動発達。特に0歳の運動発達は、人が身体を動かす上で大切な要素がギュッと詰まっています。
大切なことだからこそ、もっと多くの方に知っていただくためにブログでもお伝えしていきます。
私自身、学生の頃や新卒の頃から理解できていたかというと、そんな訳はありません!笑
何度読んでも意味不明ー!!運動発達が何に繋がるんやー!
なんで、この子は姿勢が崩れるの…?
姿勢へのアプローチは結局何をしたらいいんや…。
結局この文章は何が言いたいのか分からん…寝よ。。
という感じでした(笑)
多分同じように躓いている学生さんや新卒のリハ職の方も多いのではないでしょうか。
また、保育士・教師の方の中には、“運動発達?私たちに必要なのかな?”と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
大事なことなので強調してお伝えします!
子どもに関わるお仕事をされている方は、運動発達の知識は持っておくべき!!
だと私は思います。
もちろん、子どもたちのことを運動発達だけで全てを理解することは難しいです。子どもたちは、生活や遊びの中で、身体の動かし方(運動面)、考える力(認知面)、コミュニケーション(社会性)を学んでいきます。これらを理解するためにも、運動発達は欠かせません。
繰り返し本を読み、セミナーを受けて学んだことはもちろん今に繋がっていると思いますが、何よりも今まで出逢ってきた500人以上の子どもたちが運動発達の大切さを私に教えてくれました。
私は、新しいこと、空間的なことを理解するのにはとーっても時間がかかるタイプ。
躓きまくったからこそ、初めて学ぶ方に伝えられるものがあるかなと思っています。
さあ、運動発達を一緒に勉強していきましょうー!
運動発達を学ぶと何が分かるの?
新しいことを学ぶ前に、
どんな力が身につき、現場でどう活かせるのかを知ると勉強のモチベーションが上がりますよね。
私が個人的に思う運動発達の学びから得られることを4つお伝えします。
子どもたちのうまくできない理由が分かる
巡回相談で園や学校に伺うと、よくお受けする質問を少し挙げてみたいと思います。
きっと今読んでくださっているあなたの園や学校にもこんなタイプのお子さんがいらっしゃるのではないでしょうか。
運動発達を学ぶことで、これらの理由を探ることができるようになります。
上記のようなお子さんに対してアプローチをするには、0歳で獲得する身体の動かし方の知識が必要になります^^
理由が分かると、具体的なアプローチを考えることができ、適切なサポートが可能になります。
もちろん、運動発達の他に、感覚や解剖学、脳のはたらきなど様々な知識があれば最高です。でも、急に全てを学ぶことは難しいので、その辺りの内容もなるべく絡めながらできる限り分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
どんな活動を提供すれば良いかが分かる
たとえば、会議で園長先生がこんなことを言いだしたらどう思いますか。
運動は大切だ!
2歳のお子さんに4歳のお子さんがする運動遊びを提供しましょう!
明日から2歳児クラスは、「ケンケン」を設定保育で取り入れるように。
いやいや!待て待て!!無理ですよ!
2歳でケンケンは育ちから考えても絶対に無理です!!!
と、誰もがツッコミを入れたくなりますよね。
(こんなことが実際にあったら、この記事を読んでくださっている方はつっこんでね!)
学校の場合も考えてみましょう。
来年度から1年生は先取り学習でコンパスの学習を行います。
1年生の担任の先生、準備お願いしますね。
いやいや!待て待て!
1年生!?消しゴムで消すだけでも紙が破れて大変なのに…。
コンパスなんてまだ指導するのが難しすぎます。
針で指を刺してケガする可能性もありますよ!?危険です!
先取り学習にも程がある!ということがイメージできますよね。
(この記事を読んでくださっている方は、こんなことが実際にあったら全力で止めてくださいね!)
「○歳で何をするのか」「△年生でどんな活動をするのか」ということは、
学生の頃から学び、毎年の流れもあるため、想像しやすいと思います。
しかし、発達に弱さを抱えているお子さんに対しては、このようなことが現場で頻繁に起きているんです。
たとえば、実年齢は4歳だけど、運動発達(身体の動きの育ち)は2歳くらいのお子さんに対して、4歳児の内容を一生懸命取り組んでいるといったことがよくあります。
なんとなくゆっくりなのは分かるんだけど、
どれくらいの力を持っているのか、
どんな遊びを提供してあげるといいかが分からないです。。
巡回相談でカンファレンスをさせていただくと、このような相談をよくお受けします。他にも、“クラスを回しながらそのお子さんにもサポートをしなければいけない”、“他のお子さんと同じ出来栄えに持っていくにはどうしたらいいか”といった先生たちの優しい思いと葛藤が滲み出ている現場によく遭遇します。
今このお子さんは、2歳児クラスのお友達に近い身体の使い方をされています。
なので、ジャンプや坂道のぼりの活動をたくさんさせてあげてください。
他にも、移動教室のときにハイハイで移動してみるとかどうでしょう?
こんなふうに、保育士・幼稚園教諭の方には○歳児さんの遊びをしてあげてほしい!遊びではなく、普段の生活のこの時間でこんな動きを取り入れてほしいとお伝えすると、「明日からやってみます!」と笑顔になってくださる方がとても多いです^^
学校の先生方にも、お子さんの身体の使い方の段階を説明し、どんな動きをして欲しいのかを具体的にお伝えすると、次回までにたくさん取り組んでくださる熱心な方が多いです。
何をすればいいのかが明確になると、誰しもやる気がみなぎってきますよね^^
つまり、運動発達を学ぶと、明日から何をしたらいいのかが明確になるということ。
なかなか学ぶ価値がありそうでしょ?^^
身体の動かし方について具体的に説明できる
私たちが何気なくできてしまっていることを言葉で説明するのってとても難しくないですか?
たとえば、縄跳びの跳び方。
一度できてしまうと何も考えずに縄を回して跳ぶことができますが、できない子にはどう伝えたらいいのでしょう?
ぴょんと跳んで!もっと跳んで!
手をグルグル回さないと!!
もっとそーっと跳んでごらん!
大人たちがよくする声かけの1つだと思います。これが悪いわけでは全くありません。
ただ子どもたちからするとこんなふうに思っているかもしれません。
“ぴょんと”ってどんなふうに跳ぶこと?
“手をグルグル”ってどうやってするの?
“そーっと”ってどれくらい?
感覚的なものは、それぞれ感じ方が異なるのでさらに言葉で表現することが難しくなりますよね。
運動発達を学ぶと、子どもたちの身体の動きの段階が分かることはお伝えしました。
運動発達を学んでいくと、自ずと身体の構造についても詳しくなっていきます(これが、解剖学や運動学と呼ばれる学問です)。
そうすると、手は手でも肩なのか、肘なのか、手首なのかといった身体のどの部分を使うのか明確に伝えることができるようになってきます。また、それぞれの活動を行うためには、身体のどの部分を使っているのかを考えられるようになり、提供する遊びや活動の質がより向上してきます。
具体的に説明ができると、子どもたちもどう動いたらいいのかが明確になり、意欲的になってくれることが多いです。子どもも先生も達成感を味わいやすく、さまざまな活動にチャレンジしやすくなりますよ^^
子どもの力を最大限に引き出すことができる
子どもと関わるお仕事をされている方は、そのお子さんの力を伸ばしてあげたい!と思っている方が多いと思います。でも、どうすれば…?と悩まれている方によく出会います。
そんな思いを抱いている方は、ぜひ運動発達を学んでください。
今までお伝えした通り、お子さんの育ちの段階を知ることができるということは、その子に合ったものを提供できるということ。
つまり、そのお子さん自身の育ちを最大限に引き出すことができるということです。
他のお子さんと比べるのではなく、そのお子さんの運動発達の段階を知り、次のステップに進むために必要な運動あそびや活動を提供できるようになります。これは、クラス運営を行う上でもとても役立ちます。4歳だから、小3だからと年齢や学年で捉えてしまうと、なんだかまとまりのないクラスで落ち着かない…ということもあると思います。運動発達を学ぶことで、全体的にこの育ちが足りていないんだな!と気づいてあげられると、クラス全員の育ちも引き上がっていきますよ^^
まとめ
運動発達を学ぶとどんな力が身につき、現場でどう活かせるのかイメージしていただけたでしょうか。
最後におさらいしてみましょう!
次回からは、人がどんな発達を遂げていくのかお伝えしていきたいと思います。
赤ちゃんの写真に癒されながら一緒に学んでいきましょう!
最後まで読んでくださり、ありがとうございましたー!!
リィーノ発達ゼミでは、実際に赤ちゃんの動きを真似してもらうなどの体験ワークを取り入れながら行っています。
文章で伝えるにはやはり限界があるので、もっと学びたいと思ってくださった方は、リィーノ発達ゼミのセミナー版でお会いしましょう♪
次の内容は、こちらから読めます^^
オススメ本
運動発達を勉強する上で、私が何度も熟読している本をご紹介します。
赤ちゃん はてな 赤ちゃんがわかる育ちのガイドブック:榊原 洋一 監修
保育士・教師の方など初めて運動発達を学ぶ方にはこの本がオススメ。
可愛いイラストと大まかな赤ちゃんの発達が学べます。
個人的には、まずは大まかに学ぶことをオススメします。
全体像を知ってから細かな部分を学んでいくことが挫折せずに学べるコツです^^
脳性まひ児の家庭療育:EVA BOWER 編著
脳性まひ児と書かれていますが、運動発達にも触れられています。
一般の方向けに書かれているものなので、読みやすいです^^
イラストも豊富で、どのようにサポートをしたらいいのか具体的に書かれています。
支援者として関わっている方はぜひ読んでみてほしい一冊です。
発達を学ぶー人間発達学レクチャー:森岡 周 著
OTの学生や発達分野で働く専門職の方は、これがオススメ。
断言します!リハビリ職の方は絶対持ってる方がいい!
うつ伏せやあおむけの姿勢の発達を始め、認知面や社会性などそれぞれの発達について流れが分かりやすく書かれています。
保育士・教師の方にとっては、知らない言葉が大量に出てくるので、学び始めの方はまだ手に取らない方がいいかなと思います(リィーノスタッフも勉強しまくってますが、そっと本を閉じてました笑)。