姿勢が崩れやすい子どもに、どんな活動をしたらいいの?

ケース検討

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リィーノ発達ゼミでは、講義・ケース検討を行った後に、参加者の方からたくさんの質問を頂きます。
質問タイムがゼミの中で一番学びが多い時間と言っても過言ではないかもしれません。
知識を身につけ、ケース検討をすると、実際に現場で見ている子どもたちのことを照らし合わせながら、あの子のあの動きはどうなんだろう…こんな子がいるんだけど…と参加者全員が頭に思い浮かべて、質問をしてくださいます。

今回は、リィーノ発達ゼミの応用編で頂いた質問をみなさんにも共有したいと思います^^
姿勢が崩れる生徒は保育園や学校でもよくいらっしゃるのではないでしょうか。
感覚と運動発達を学んで頂いたからこそ見えてくる視点から、姿勢が崩れていることが考えられる原因とそのアプローチについてお話をしていきたいと思います。

子どもの原因を考えるためには、必ず基礎知識が必要です。
リィーノ発達ゼミのセミナー版では、基礎編では感覚のお話を、応用編では0歳児の運動発達のお話を専門用語を使わずに行っています。
ぜひ、皆様のご参加お待ちしております。
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どうして、姿勢が崩れるの?

子どもたちと関わらせて貰う中で、よくある原因を5つ挙げてみたいと思います。
姿勢が崩れるといっても、子ども一人一人理由は異なります。さまざまな活動や生活場面の様子を観察しながら、理由を探っていきましょう。

低緊張

「姿勢が崩れるのは低緊張なので!」というお話、よく聞きませんか。
もちろん、低緊張が原因であることはよくあります。
でも、低緊張だからと理由を片付けてしまうと、どうアプローチすればいいのかが見えてこなくなることがよくあると思います。私も働き始めた頃は、訳が分からなかったです。

まず、お子さんの身体を触らしてもらいましょう。
首、肩、肩甲骨のあたり、腰、骨盤を触ってみると、肩こりのように一部筋肉の凝りのような硬い部分があることがよくあります。低緊張は筋肉が柔らかいはずなのに、筋肉の硬い部分があるの!?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

人は、身体のどこかに力を入れないと姿勢を保つことはできません。たこのようにふにゃふにゃだと姿勢が保てないことは想像ができますよね。
姿勢を保つことが苦手なお子さんの中には、腰や背中、肩などの一部に思いっきり力を入れることで、姿勢を保とうと頑張っている場合が物凄く多いです。すると、一部の筋肉が頑張りすぎて、筋肉が凝り固まってしまうということが起きてきます。他にも、肘をつく、椅子の上であぐらをかくなどの姿勢は、なんとかして自分の身体を支えるためにしている可能性もあります。そのような身体の使い方をしなければ、姿勢が保てないのです。
姿勢が崩れているように見えるのは、子どもたちからのめっちゃ頑張ってるよー、疲れたよー”というSOSのサインかもしれません。

低緊張だからで終わるのではなく、低緊張が原因でどういう身体の使い方をしているのか、なぜそのような姿勢になっているのかまで分析してあげることが大切です。そうして初めて、対応策を練ることができます。

身体の中心軸

身体の中心軸とは、身体の真ん中のこと。身体の真ん中を正しく理解していないと、姿勢は崩れてしまいます。例えば、少し左にずれたところが自分の身体の真ん中だ!と思っていた場合、周りから見ると左に崩れているように見えても、本人は身体をまっすぐにして正しく座っていると思っている可能性が高くなります。
この場合、「姿勢をまっすぐして座りましょう!」とどれだけ声かけをしても、私たちが思う正しい座り方にはならないということが理解できると思います。

身体の中心軸の育ちは、生まれた時から始まっています。
生まれたばかりの赤ちゃんは、原始反射というものに支配されているため、自分の身体を思った通りに動かすことができません。
有名な原始反射としては、頭が少し枕の方に下がってしまうと両手が広がってしまうモロー反射や、顔を左に向けると、左側の手は伸びて足は曲がり、右側の手は曲がって足は伸びるといったATNR(非対称性緊張性頸反射)などがあります。

両手・両足を体幹に集められるのは、身体の中心軸が育った証。