不器用さの原因は肩甲骨にあり?手先の器用さに大きく関わる肩甲骨の動き

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ゆるゆる解剖学

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巡回相談や発達ゼミでもダントツ多い指先の不器用さの相談。
保育所や幼稚園に入ると身支度を自分ですることが増えたり、製作あそびが始まります。
学校に行くと文字を書いたり、ピアニカを吹いたりと道具を操作することが一気に増え、指先を使わない日はないですよね。

指先の細かな操作が苦手なお子さんは、実は、指の動きだけではなく肩甲骨がうまく動いていないことがほとんど。このお話をすると、みなさん肩甲骨!?という反応をしてくださいます。
(いつもいいリアクションありがとう笑)

それでは、保育や教育現場で知っておくと絶対に子どもの見方が変わるゆるゆる解剖学 肩甲骨編スタートです!

肩甲骨の場所

肩甲骨は、上の絵の赤丸のところのように左右の背中についている逆三角の形をした骨のこと。肋骨の上にペタッとのっている感じの骨です。
“天使の羽”と呼ばれるポコっと背中から出る骨ですね^^
肩甲骨は、鎖骨と上腕骨(肘から肩までの腕の骨)の2つと関節(骨と骨のつなぎ目のこと)を作っています。そして、この肩甲骨の周りに18個の筋肉が付いていて、肩甲骨を動かしてくれています。

肩甲骨の動き

肩甲骨には大きく6つの動きがあります。
これらの動きと肩の動きを組み合わせることで、私たちは生活の中で支障なく物を取ったり、手先を使ったりすることができています。それぞれの動きを実際のお子さんの姿と照らし合わせながら見ていきましょう!

上に引き上げる

肩甲骨を上に引き上げる動きのことを挙上きょじょうといいます。
たとえば、肩をすくめるような運動をしたり、手で物を持ち上げたりするときにこの動きが使われています。

こどもの様子をチェック

製作や字を書く活動をするとき、すごく肩に力が入っている姿を見かけませんか?
肩甲骨をグッと引き上げて肩周りに力を入れて、身体がふらつかないように安定させて、手先を使いやすくしようと頑張っているんです。この状態では、手指をばらばらに動かしたり、適度な力加減でものを操作をすることが難しくなります。

下に引き下げる

肩を下げて首を長くするように、肩甲骨を引き下げる動きのことを下制かせいといいます。
たとえば、重たいものを持ち上げるとき、肩甲骨は下に引かれます。実際には、下に引かれてしまうと物の操作がしづらくなってしまうため、身体のバランスが崩れないように肩甲骨をグッと引き上げる動きがすぐに見られます(肩甲骨の挙上)。

外に開く

肩甲骨を外側に開く動きのことを肩甲骨の外転がいてんといいます。
たとえば、子どもを抱っこするために手を前に伸ばしたり、お相撲さん遊びのように手で押したりするときにこの動きが使われています。

こどもの様子をチェック

猫背姿勢が気になるという方も多いはず。この姿勢は、肩甲骨が外に開いた状態になります。つまり、肩甲骨を外に開く筋肉がずっと頑張っているため、筋肉も疲れてきてしまいます。
タブレットを使う時間が増え、背中が丸くなった姿勢で過ごす時間が増えてきている子もたくさんいると思います。
身体を使う遊びの中で、いろんな姿勢を取りながら残りの5つの肩甲骨の動きを引き出し、いつも頑張っている筋肉を緩めてあげてくださいね!

内に寄せる

肩甲骨を内側に寄せる動きのことを肩甲骨の内転ないてんといいます。
たとえば、気をつけの姿勢など胸を張る動きをしたときにこの動きが使われています。

こどもの様子をチェック

はさみで切るとき、紙を持っている方の手を体にくっつけたまま肘を後ろに引き、肩周りに力を入れながら操作している姿を見かけませんか?
肩甲骨が安定しないため、肩甲骨を内側に引き込み、腕がぶれないように固定させている場合があります。この状態では、両手をバラバラに使ったり、切る形に合わせて手を動かしたりすることが難しくなります。

斜め上方向に動く

肩甲骨が外に動きつつ、肩甲骨の下の方が外に回転する動きのことを上方回旋じょうほうかいせんといいます。
たとえば、バンザイのような手を挙げる動作で使われます。バンザイをしたときに肩甲骨に手を当ててみると、斜め上に肩甲骨がひねりながら上がっていくのを感じることができます。

こどもの様子をチェック

「バンザイして手を耳にくっつけて〜!」と伝えると、手がしっかりと挙がらず、首を横に曲げて耳にくっつけようとする子どもたちがいます。
このような子どもたちは、肩甲骨が十分に動いていない可能性があります。
リズム遊びや運動遊びの中で、手を上に挙げたり、身体の後ろに手を回したり、いろんな方向に手を動かす経験を促してあげてください。

斜め下方向に動く

肩甲骨が内に寄りつつ肩甲骨の下の方が内側に回旋する動きのことを下方回旋かほうかいせんといいます。
バンザイをした手を下ろすときに引き出される動きです。バンザイをした手を下ろすときに肩甲骨に手を当ててみると、斜め下に肩甲骨がひねりながら下がっていくのを感じることができます。

腕の骨とのチームワーク

肩甲骨は、鎖骨と肘から上の腕の骨(上腕骨じょうわんこつ)と繋がっていることをお伝えしました。
これにはどういう役割があるのでしょうか。

バンザイのように手を挙げる動きを見てみましょう。
この動きは、肩甲骨だけで、上腕骨だけで動いている訳ではありません。3つの骨が歯車のように連携することで行うことができます。

このチームワークの動きのことを専門用語では、肩甲けんこう上腕じょうわんリズムといいます。
名前を覚える必要はないですよ!(コメディカルの学生や職種は暗記必須単語ですよー)
手先がうまく使えない、なんだかぎこちない身体の使い方をしているお子さんは、もしかすると肩甲骨と腕のチームワークがうまくできてない?と思ってもらえるだけで、子どもたちへの関わりが変わってくると思います。疑問に思ったら、専門職に確認してみてくださいね!

肩甲けんこう上腕じょうわんリズムとは
バンザイのような手を挙げる運動をするとき、上腕骨(腕から肩までの骨)が30°開くと、肩甲骨の上方回旋がおこり始めます。このとき、上腕骨と肩甲骨の動きが2:1の割合で動くことを肩甲ー上腕リズムといいます。
肩の動きづらさや痛みが生じている原因として、この運動がうまく働いていないことがよくあります。

まとめ

肩甲骨のおさらいです♪

まとめ
  • 肩甲骨は、背中の肋骨の上に載っている逆三角の形をした左右に1つずつある骨のこと。
  • 肩甲骨は、鎖骨と上腕骨と繋がっていて、連動して動くことで自由自在に手を動かすことができる。
  • 肩甲骨には6つの動かし方がある。
    ・肩甲骨を引き上げる(挙上きょじょう
    ・肩甲骨を引き下げる(下制かせい
    ・肩甲骨を外に開ける(外転がいてん
    ・肩甲骨を内に寄せる(内転ないてん
    ・肩甲骨を斜め上方向に動かす(上方回旋じょうほうかいせん
    ・肩甲骨を斜め下方向に動かす(下方回旋かほうかいせん

安定した肩甲骨の育ちは、赤ちゃんの頃から始まります。
寝返りをしたり、お座りをしたり、ハイハイをしたり。
普段の生活や遊びの中で、自然と肩甲骨の動きが育っていきます。
なんだかぎこちない…と感じたら、赤ちゃんの頃の運動をもう一度遊びの中で取り入れてみてください。運動の育ちを振り返ることで、身体の使い方は大きく変わってきますよ♪

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メカニズムが分かると遊びの幅が広がりますよ*

安定した肩甲骨を育む大切なハイハイ。
その理由を保護者向けに書いた記事です。