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保育園や幼稚園の巡回相談に伺うと、ズボンと格闘しているお子さんによく出会います。
ズボンの穴から2本の足が出て困っている子
お尻やオムツが丸見えのままだけど本人は履けたー!と大満足している子
なかなかズボンが引き上がらず、諦めて見知らぬ私に手伝ってと言いにくる子
全く着替えに興味を持っていない子
どの姿を見ても可愛すぎて、終始笑ってしまいます(笑)
(残念ながら私に手伝って!と言いに来た子が一番苦労する羽目に遭っていますが笑)
このようなそれぞれの段階にあるお子さんに、どうアプローチしたらいいのでしょうか。
アプローチを考えることは素敵なことですが、
その前に、なぜうまくいかないのか原因をいろんな視点で探ることが大切です。
今回は、「ズボンの引き上げ」に注目して、できない理由を一緒に考えていきましょう^^
ズボンの引き上げについて、保護者向けに書いた記事はこちらをお読みください。
なぜ、着替える必要があるの?
みなさん、着替えの必要性について、考えたことはありますか。
1日に数回着替えをしている方が多いと思いますが、どうして着替えるのでしょう。
習慣になっているため、”着替えることは当たり前”と思っていることも多いかもしれません。
子どもたちからすると、なぜ着替える必要性があるのかが分からず、嫌がっている可能性があります。
着替えについて調べてみると、大きくこのような意味があるようです。
新しい服を買ったとき、お気に入りの服を着るとき、特別な日のおしゃれ。
このようなシチュエーションは大人もわくわくしますよね^^
着替えそのものに目的があるのではなく、着替えた後の気分や予定にわくわくしてることがほとんどではないでしょうか^^
子どもたちの着替えを考えたとき、どうしても着替えそのものにフォーカスされてしまうことが多いように感じます。子どもたちにも”着替えの後に楽しいことが待ってるよ〜!”を知ってもらえるにはどうしたらいいかを考えると、声かけの仕方が変えられそうですよね^^
目の前のお子さんにとって、着替えとはどういうものなのかを改めて考えてみてくださいね。
着替えの発達
着替えは、育つ環境によって自立するスピードは大きく異なります。
例えば、1歳から保育所に通っている子と、年少から幼稚園に通い始める子では、一般的に保育所っ子は自分でやらなければいけない場面が多く、着替えの自立は早い傾向にあると思います。幼稚園っ子は、入園するまではママが手伝ってくれるから経験が少ないというお子さんも多いと思います。
「着替えができないのは、ご家族がやってこなかったから」とご家族を理由にしてしまうのは、プロとしていかがなものかなと私個人的には思います。各家庭いろんな事情があるのはもちろんのこと、どのご家庭の保護者さんも毎日必死で子どもと向き合いながら、家事や仕事に追われています。
子どもと関わる仕事をしている者としては、そのお子さんが今どれくらいまで1人でできて、どこにお手伝いが必要なのかを知ってあげること。それを知るためには、大体の着替えの発達の目安を知っておく必要があります。下記の表で確認してみましょう^^
- 1歳半ごろ自分で脱ごうとする
膝まで下ろしてあげると、脱げることが多い。
- 3歳ごろおおむね1人で履ける
前後の確認、お尻の引き上げはサポートが必要なことが多い。
- 4歳ごろズボンの前後を確認して履ける
座って履くことが多い。
左右の分離運動が育ち始め、少しずつ立ったまま履けるように。 - 5歳ごろズボンの引き上げが完璧にできるようになる
ズボンに肌着の裾を入れられるようになり、身だしなみにも注意を払える子が増える(個人差が物凄くある!)
今この段階にいるのか!と分かれば、アプローチが考えられます。そして、もう一つ大切なのが、実年齢と比べるのではなく、そのお子さんの発達の段階を知ることです。
「○歳なんだから1人で履きなさい!」「1人で履けない子は年中さんにはなれません」と煽るのは禁句。このような声かけをされると、子どもたちも余計不安になり、ストレスが溜まって上達しにくくなります。どこができたか、どこを頑張ったのかをフィードバックする声かけを心がけてみてくださいね^^
どうしてうまくできないかを探ってみよう!
では!なぜズボンが上手に履けないのか一つずつ分析していきましょう。
“ズボンが履けない”と一言で言っても、
お子さんによって、できない度合いは変わってくると思います。
それぞれの段階で、なぜうまくできないのか理由を探る必要があります。
その理由を探るためのヒントをお伝えしていきます!
体幹の育ち
ズボンを履くときの身体の動きを見てみましょう。
腕だけを動かしているように思いますよね。実際にズボンを履いてみてください。どうでしたか?^^