「手先の器用さ」と「算数の土台」を育む【おはじきあそび】

リィーノこどもセラピーでは、シンプルに見える遊びの中にも、子どもたち一人一人の発達段階に合わせたねらいを込めてセラピーを行っています。
今回は、リィーノでよく登場する「おはじき」を使った遊びをご紹介します!

この記事を書いた人
Aya

プロフィール

  • こども専門の作業療法士
  • リィーノこどもセラピー 運営(9年目)
    (発達が気になる、学習につまずきのある子の教室)
  • リィーノ発達ゼミ運営(のべ300人受講)
    (子どもに関わる職種のためのセミナー・ブログ)
  • 赤ちゃん〜幼児までの運動あそび講師
  • 元幼稚園・保育所、小中学校の巡回相談員
  • 保護者・職員向けのセミナー依頼 年30件以上
目次

どんなふうに遊んでるの?

下の写真のようにおはじきを床にばらばらっと広げて、スタッフが出す「ことばの指示」に合わせて、子どもたちにおはじきを取ってもらいます。

たとえば、こんな声かけをしています。

Aya

おはじきを3つ取ってください。

Aya

5より2少ない数を取ってください。

Aya

両手に2つずつ持ってください。

Aya

10の半分の数を取ってください。

ただ、数を数えるだけのように見えるかもしれませんが、この中には「数の理解」や「言葉の意味の理解」、「考える力」や「身体の使い方」まで、たくさんの力が隠れています。

文章題でつまずく理由として

計算問題はできるけど、文章問題になると全然できないんです。

そんなご相談をよくお受けします。
リィーノでは、なぜ解けないのか?を基礎から丁寧に確認していき、お子さまの発達段階に合った形でアプローチを行っています。

遊びの中で出される言葉の意味や数の概念、そしてその使い方をひとずつ丁寧に育てていくことで、「わかった!!」の感覚を増やしていきます。

この遊びで見ているポイントは?

このあそびの中で、私たちは子どもたちのどんなところを見ているのでしょうか。
「身体の育ち」と「考える力の育ち(認知面)」に分けて挙げてみたいと思います。

身体の育ち

  1. 目と手のチームワーク
  2. 手指を細かくバラバラに動かす力
  3. しっかりと握り続ける力
  4. 力加減

たとえば、おはじきをつかむときは、「どれを、どう取るか」を頭で考えて、目で見てから、手を動かして取るといった予測を立てる必要があります。
私たちは、子どもたちの「操作の仕方」を丁寧に見ながら、その子に必要な課題を探し、アプローチしています。

考える力の育ち

  1. 言葉の理解(量、比較、順序など)
  2. 数の概念理解と数のまとまりの理解
  3. 自分で動きを組み立てる力(運動企画)
  4. 言われたことを覚えて実行する力(聴覚的ワーキングメモリ)
  5. 足し算や掛け算の「意味」の理解

たとえば、「九九は言えるんだけど、いつ使うかが分からない」といったつまずきを持つお子さんの場合、
「〜ずつ」という言葉の意味がイメージできていないことがあります。
何気ない遊びのやりとりの中で、見落とされがちな小さな「つまずき」と「ご本人に合った理解のしやすさ」を見させていただいています。

最後の“お片づけ”にも意味がある

活動の最後には、両手でおはじきをすくって、ケースに落とさないように入れてもらいます。
何気ないお片づけの一場面ですが、不器用さのあるお子さんが特に苦手とする“手のひらを返す動き”“力のコントロール”の練習を自然と取り入れ、生活や学習の土台となる身体の使い方を学んでいただいています。

手のひらを返す動き

顔を洗う、鉛筆やお箸を使うなど、「手のひらを返す動き」は、生活のさまざまな動作や道具操作につながっています。
リィーノでは、おはじきを両手ですくってケースを入れるといった遊びの中で、こうした動きをさりげなく取り入れています。
遊びながら、生活や学習がスムーズになる土台を育て、おうちでも気軽に繰り返し取り組めるような活動を行っています。

力のコントロール

おはじきを入れるケースをあえて動かして、狙いを定めておはじきを少しずつ入れるようにお願いしたり。
両手の隙間から少しずつおはじきを落とすためには、どれくらい手を動かしたらいいのか・・
一つずつおはじきを手のひらから出すには、どんなふうに手指を動かしたらいいのか・・
操作をしているときの様子から子どもたちの身体や手指の使い方を見させてもらっています。

まとめ

昔からあるおはじき遊び。
「身体の使い方」「考える力」「ことばの理解」「数の感覚」──
子どもたちの育ちに必要な力を、一つの活動の中でまるごと育てられるとても奥深いものです。
なので、リィーノこどもセラピーでは、グループセラピーでも学習サポートクラスでもおはじきはよく登場します^^

Aya

リィーノこどもセラピーでは、遊びのスタートからお片付けまでのすべての動きに、お子さま一人ひとりに合った課題のねらいを持ってプログラムを作っています。

お子さまのご相談はお気軽に

リィーノこどもセラピーでは、楽しい今だけではなく、お子さまの将来の進路や就職から逆算し、今必要な力を遊びの中で自然と育めるようにセラピーを行っています。
遊びを通して子どもたちの小さなサインに、専門的に・温かく寄り添える場所でありたいと考えています。

お子さまの発達が気になる、身体の使い方が気になる、学習面が気になるなど、小さなお悩みごとでもお気軽にご相談ください。
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