お子さまに関するご相談・ご質問はお気軽にお問い合わせはウェブからのみとなります
スプーンが手離せない!お箸の練習につながる遊びをご紹介
日本で暮らす限り必要になるお箸。
3歳のお誕生日を迎える頃から、どのタイミングで練習を始めたらいいの…?と悩むママ・パパも多いと思います。
食事中の練習はママも子どももイライラしちゃうもの。
楽しく遊びや生活の中で、お箸が持てるようになる遊びをご紹介します。
プロフィール
- こども専門の作業療法士
- リィーノこどもセラピー 運営(6年目)
(発達が気になる、学習につまずきのある子の教室) - リィーノ発達ゼミ運営(のべ250人受講)
(子どもに関わる職種のためのセミナー・ブログ) - 幼稚園・保育所、小中学校の巡回相談員
- 保護者・職員向けのセミナー依頼 年30件以上
まずは、スプーンの持ち方をチェック!
お箸を持つその前に!
お子さんのスプーンの持ち方をチェックしてみてください!
お子さんの持ち方の段階によって、アプローチが変わってきます。
スプーン・フォークの持ち方は大きく分けると3パターンあります。
では、早速見ていきましょう!
上からの握り持ち
スプーンの柄の上から握り込むようにして持つ持ち方。
物を操作するときの最初の段階。
まずは、いろんなものをつまむ、手のひらを返すなど手や腕を使う遊びをたくさんしてみましょう。
下からの握り持ち
スプーンの柄の下から握り込むように持つ持ち方。
手のひらを返す動きが育ってきています。手のひらを返した状態で、いろんなものをつまんだり、持ったりしてみましょう!
三指持ち(大人持ち)
大人がスプーンを持つときのように親指〜中指の3本の指でスプーンの柄を持つ持ち方。
この持ち方が安定していれば、お箸に挑戦してみましょう!
お子さんのスプーンの持ち方はどの持ち方に近かったでしょうか?
上からの握り持ち、下からの握り持ちの段階のお子さんは、まずはスプーンを三指持ちで持てることを目指してください。
なぜかというと、三指持ちができるようになってからの方がお箸が綺麗に持てるようになるから!
三指持ちの手の形のまま、スプーンからお箸に持ち変えると、お箸の持ち方になるんです。
おうちでできるお箸に繋がる遊び
食事は、家族やお友だちと楽しく美味しく食べたいですよね!
なので、食事中に、お箸の練習をするのは3分程度に最初は留めておきましょう。
その代わりに、普段の生活や遊びの中で、お箸の操作に繋がる遊びを取り入れてみましょう。
普段何気なくしている生活の中での動作も、実はお箸の操作に繋がっているんです。
洗濯バサミを使って
親指・人差し指・中指の3本の指で、洗濯バサミをつまんで付けるだけ!
全部の指で取るのではなく、3本の指で付け外しをすることがポイントです。
つまむことが難しい場合は、最初に箱などの淵に洗濯バサミを付けておいて、それを引っ張って取る遊びから始めてみてください。
お盆を使って
両手でお盆やトレイを持って、いろんなものを運んでもらいましょう!
倒れたり、こぼれても大丈夫なものからスタートしてみてください。
上手になったらお食事のお手伝いをしてもらってもいいですね。
お箸を持つためには、手のひらを返す動きが必要になります。
特に上手持ちの段階のお子さんは、まだ手のひらを返すという動きの経験が少ない可能性があります。
お盆やトレイを持つと、自然と手のひらを90°返すことができるんです^^
紙ひこうきを飛ばす
子どもたちは誰もが大好きな紙ひこうき!
折り紙を折ることは、両手をバラバラに動かす練習にもなります。
(子どもたちは練習ではなく楽しい!と思っていることが大切。
練習となった瞬間、子どもたちからやる気が失せてしまいます)
紙ひこうきができたら、親指・人差し指・中指の3本の指で、紙ひこうきを持って飛ばしてみましょう!
遠くに飛ばすためには、適度な力加減も必要になります。
子どもたちは自然と遊んでいる中で、試行錯誤してるんですよ。
いろんな袋を開け閉めしよう
ファスナーや巾着袋などさまざまな種類の袋を3本の指で開け閉めしてみましょう!
時間に余裕のあるときは、ぜひ身支度はお子さんだけでさせてあげてください。
自分で身支度をすることが、手指の育ちに一番効果的です。
ついつい手伝いたくなっちゃう気持ちはグッと堪えてあげてください。
お箸を持つために必要な力
どうして、先ほどご紹介した遊びがお箸に繋がるのでしょうか。
お箸を正しく持てるようになるためには、5本の指をバラバラに動かせる力が必要になります。
先ほどご紹介した遊びは、この要素がたっぷりと入っているんです♪
その他にも、体幹の安定性や目と手の連携など、さまざまな複雑な力が必要になります。
今回は、親指・人差し指・中指チームと薬指・小指チームのそれぞれの役割についてお話したいと思います。
親指・人差し指・中指チーム
この3本の指は、つまんだり、動かしたり、物を操作したりなど「つまむ動作」に使われます。
特に親指は、他の4本の指の腹と合わすことができるというちょっと違う構造をしています。
この構造のおかげで、私たちはいろんな物を持ったり、操作したりできるんです。
スマホの操作も一番働いているのは親指ですよね!
つまむ動作をしているときは、手のひらの中にある筋肉が働いています。
この小さな筋肉たちがしっかりと動くようになると、細かな操作がスムーズに行えるようになるんです。
薬指・小指チーム
この2本の指は、握ったり、支えたり、固定したりなど「つかむ動作」に使われます。
物を操作するためには、この2本が安定していないとスムーズに行うことが難しくなります。
例を挙げます。
実際にしてみると分かりやすいと思うので、是非一緒にやってみてください!
小指を怪我して曲げられなくなってしまいました。
その状態でペンを持って文字を書いてみてください。
いかがでしたか?
いつもに比べて、ペンが握りにくく、安定しなかったと思います。
いつもとは違うところに力が入ってしまった方もいるかもしれません。
このように、薬指と小指が安定しないと、操作は行いにくくなってしまうのです。
まとめ
子どもたちは「楽しい」がないと、絶対に大人がやって欲しいと思っていることに食いついてはくれません(笑)
是非、お子さんの好きな遊びの中で、手指をたくさん使って遊んでみてくださいね^^
それでは、今回のまとめです。
- まずは、スプーンの持ち方を確認してみましょう!
- スプーンの三指持ちができるようになってからの方が、お箸への移行がスムーズ。
- おうちにあるもので手指を使う遊びをしてみましょう!
- お箸を持てるようになるためには、5本の指をバラバラ動かす力が必要。