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すぐに紙がクシャクシャ。消しゴムが楽に使えるようになるには?
小学校に入学してどの子も苦労する消しゴムの壁。
頑張って書いたのに間違えた!消さなくちゃ!ゴシゴシ…ビリッ…!
あーー。もうやりたくなーーい!!
このやりとりよくありませんか?
コピー用紙ならまだしも、学校はざらばん紙を使っているところが多いですよね。
さらに消しにくい…!
そんな消しゴムを少しでも楽に使えるようなおうちでできる遊びをご紹介します!
プロフィール
- こども専門の作業療法士
- リィーノこどもセラピー 運営(6年目)
(発達が気になる、学習につまずきのある子の教室) - リィーノ発達ゼミ運営(のべ250人受講)
(子どもに関わる職種のためのセミナー・ブログ) - 幼稚園・保育所、小中学校の巡回相談員
- 保護者・職員向けのセミナー依頼 年30件以上
消しゴムをうまく使えないのは、どうして?
よくある消しゴムが難しい理由を3つ挙げてみたいと思います。
- 指先にだけ力を入れることが難しい
- 紙を押さえながら消すことが難しい
- 消してる場所が分かりにくい
1つずつ、解説していきますね。
指先にだけ力を入れることが難しい
身体の動きをコントロールする力が発達段階の子どもたちにとって、指先にだけ力を入れて動かすことはとても難しいことなんです。
例えば、普段あまりお裁縫をしない方が縫い物をしたとき。
針に糸を通すときに、肩にとても力が入ってる光景が目に浮かぶと思います。
いつもと違う動きをしようとすると、変に身体に力が入ってしまって動かしにくい経験は誰もがしたことがあるはず。
子どもたちが消しゴムをうまく使えないのは、その状況に近いんです。
紙を押さえながら消すことが難しい
利き手ではない方の手で紙が動かないように押さえながら、利き手で消しゴムを動かす。
つまり、右手と左手でばらばらの動きをしなければいけません。
これも、発達段階の子どもたちにとっては、とても難しいことなんです。
消してる場所が分かりにくい
書いた文字を消そうとすると、自分の手で消す場所が見えません。
どこを消したらいいのかが分からず、この辺りだろうと思いっきり消そうとする子も多いはず。
私たち大人は、消しゴムのどの辺りを紙に当てれば、書いた文字が消せるのかを、目でしっかりと確認しなくてもできますよね。
これは、書いた文字と消しゴムを持った指との距離や、消しゴムを消してる時の摩擦の感覚を身体が知っているからできるんです。
子どもたちは、まだまだその感覚を身体が十分には覚えていません。
そのため、何度も消す場所を目で見る必要があったり、どれくらいの力加減で手を動かしたらいいのかが分かりにくかったりするのです。
おうちで簡単にできる消しゴムが上達する遊び
消しゴムを使うにも、身体の発達が影響していることを感じ取って頂けたと思います。
ここからは、楽しく簡単におうちでもできる遊びをお伝えしていきます!
ハイハイでおうち探検!
ハイハイ?ってなった方多いと思いかもしれません。
消しゴムは指先で操作するものですが、指先を思った通りに使えるようになるためには、肩甲骨や肩周りの安定性が大事になります。
ここが不安定だと、細かな操作が難しくなるからです。
特に消しゴムで消すときに、指だけでなく腕から動かしているお子さんはぜひやってみてくださいね!
ハイハイをするときは、しっかり手のひらをパーにして、指先は進行方向を向ける。指先が外方向に向いている場合は、まっすぐ前に向けてください!
この状態で肘が曲がらないように気をつけて、ハイハイでおうちを探検してみましょう!
ハイハイの大切さについては、道具操作に繋がる⁉️ハイハイが大切な理由の記事でもご紹介しています。
粘土あそび
丸めた粘土をつぶしたり、つまんで粘土の厚みを薄くしたりしてみましょう!
どれくらい力が入ったのか、粘土の押しつぶされ具合を目で見れば、確認できるところがポイント。
自分の好きなものを作りたい!となったら夢中で思い通りになるように試行錯誤し始めるかも。
自分で知らない間に力の調整を学んでくれているので、そっと集中させてあげましょう。
何を作っていいか考えることが難しいお子さんの場合は、このぐらいの厚さに潰してみて!と見本を作って、真似してもらいましょう。
「ムニュムニュムニュ♪」など効果音を付けながら潰す見本を見せてあげると、興味を示してくるかも^^
ぬりえ
線からはみ出ないように、見本と同じ色の濃さで塗ってみましょう!
まず、どのくらいの色の濃さで塗ったらいいのかが分かる見本を1つ作ってあげてください。
色の濃さを調整するためには、手先の細かな力のコントロールが必要になります。結果が目でみて分かりやすいため、取り組みやすいお子さんが多いですよ。
最初は、ぬるところが少ないものから(ノートのマス2〜3個でOK)スタートしてみてくださいね!
私は、ちびむすさんの「マス目をぬる(図形)プリント」をよく使わせてもらってます!
触って探そう
箱の中に普段よくお子さんが触っているおもちゃや、身の回りにあるものを入れて、触っただけで箱の中に何が入っているのかを当てるゲームもオススメ。
見て確認することも大切ですが、指先の触る感覚(触覚)や圧を感じる感覚(固有受容覚)を育むこともスムーズに操作する力を身に付けるためには重要なんです。
全部隠してしまうと分からない場合は、洗濯ネットなど少し見えるような袋の中に入れて、始めてみるといいですよ♪
まとめ
何度も消しゴムで消すという練習は苦痛でしかありません。
知らんまに消せるようになってたー!となるように、お子さんが好きな遊びの中で、消しゴムに繋がる動きを取り入れることがポイントです^^
それでは、今回のまとめです。
- 消しゴムが難しい理由は、身体の使い方が影響しているかもしれません。
- ハイハイなど手のひらで身体を支える遊びをして、肩周りの力を育てるよう。
- 力加減の練習には、目で見て結果が分かる遊びをしてみよう。
- 触る感覚(触覚)を使った遊びをしよう。