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感覚の感じ方はみんな違う!?
昨日できたことが今日はできない…
どうしてなの??
子育てをされていると、このような疑問を感じることって日々よくありますよね。
実は、これも感覚が関わっている可能性があるんです。
感覚過敏と言われたり、感覚が鈍いと言われたり…。
どういうことですか?
私が子どもの分野で働きだしたころに比べると、世間一般的に「感覚過敏」という言葉をあちこちで聞くことが増えたように感じます。
しかし、感覚過敏を説明してと言われるとどのような状態なのかを言語化するのは難しく、理解も曖昧になってしまうことって多いかもしれません。
なかには、“感覚過敏=発達障害“という誤った理解をされている方もいらっしゃるかもしれません。
感覚の感じ方は、大人も子どももみんな違います。
感覚過敏や感覚が鈍くなることは、健常者と呼ばれる人たちにも普通に起こりえることなのです。
この感覚の感じ方について知ると、少し心に余裕が生まれるかもしれません。
それでは感覚の違いについてお話をしていきたいと思います^^
感覚のはたらきについては、「感覚」ってなあに?運動・学習・社会性の基盤となる7つの感覚をお読みください。
プロフィール
- こども専門の作業療法士
- リィーノこどもセラピー 運営(6年目)
(発達が気になる、学習につまずきのある子の教室) - リィーノ発達ゼミ運営(のべ250人受講)
(子どもに関わる職種のためのセミナー・ブログ) - 幼稚園・保育所、小中学校の巡回相談員
- 保護者・職員向けのセミナー依頼 年30件以上
感覚の違い?
感覚のお話を始める前にみなさんに質問です!
あなたはどの答えが最も近いですか?
- ジェットコースターなどの絶叫系が大好きな方〜?
- ジェットコースターなどの絶叫系が苦手な方〜?
- ジェットコースターなどの絶叫系は乗る人がいたら乗るかなあ…という大好きでも苦手でもどちらでもない方〜?
さて、いかがだったでしょうか。
ぜひ、ご家族やお友達にも聞いてみてください。きっと人によって答えが変わるはずです。
つまり、大人でも感じ方は異なるということ!
ということは、子供たちに置き換えると、“みんな感じ方が違って当たり前!”
ということがイメージしやすくなるかなと思います^^
私は、昔はすごく絶叫系が好きでしたが、今はあんまり…笑
そんな方も多くないですか?
感覚を感じる幅
感じ方は人それぞれ
上記の図のように、感覚を感じる幅はグラデーションになっています。
高いところが苦手(高さを感じる感覚を感じやすい)な人もいれば、
全然平気(高さを感じる感覚をあまり感じない)人もいるということ。
感覚が感じにくい
感覚を感じにくい人にとっては、もっと身体にたくさん刺激を入れたいと思っているのかも。
だから、走り回ったり、常に身体を動かしたり…という行動につながっているのかもしれません。
感覚が感じやすい
反対に、部屋の隅で静かに過ごすことが好きなタイプのお子さんの中には、感覚を感じやすく、少しの感覚でも身体に入ってくると十分満たされているのかも。
だから、あまり感覚が入らない場所を見つけて、慎重に様子を伺ってゆったりと過ごしたいのかもしれません。
この感覚の感じ方を知るだけで、子どもたちの普段の言動を違う視点で見ることができるように感じませんか?^^
わざと走り回っているわけでも、活動に参加したくないわけでもないことがほとんどです。
感覚の感じ方は1日の中でも変わる
そして、この感覚の感じ方というのは、季節や時間帯、その日の体調によって異なります!
私たちも、普段は車酔いをしないのに今日はなんだか車に酔ってしまったなあ。
久しぶりに人混みの多いところに行ったら、疲れてしまったなあ。
そんなことって、誰しもが経験したことがあると思います。
今日はなんだかうまくいかないなあというときは、感覚の感じ方が今日はあまり良くないのかもと思うだけで、イライラが少し減るかもしれません。
“昨日はできていたのに、今日は全然できない…”ということはよくありますよね。
これも、感覚の感じ方の違いが関係しているかもしれません。
私たち大人も過敏になることがある?
私たち大人ももちろん感覚が過敏になることがあります。
一例を挙げてみますね。
- 体調不良のとき、普段気にならない音が気になって耳障りだ…
- 普段車酔いしないのに、車に酔ってしまった…
- 雨(汗)で服が濡れて気持ち悪いなあ…早く着替えたいよ、、
いかがでしょう?
日常的によくあることですよね。
学生時代、黒板をキーッとされたら、、想像しただけで鳥肌が立ちそうになる方も多いのではないでしょうか。
これらの現象も感覚が大きく関わっています。
耳障りの音を感じるときは聴覚、車酔いをするときは前庭覚、服が濡れて気持ち悪いと感じるのは触覚がそれぞれ働いています。
もちろん、一つの感覚が働くわけではなく、7つの感覚が一緒に働き、脳に情報を伝えてくれていますよ。
私たち大人も感覚の感じ方が鈍くなることがある?
では、反対に感覚が鈍く感じるときはあるのでしょうか。
一例を挙げてみますね。
- 鼻詰まりで、食べ物の匂いが分からない、、
- 足が痺れて、足に力が入らず立てないよ、、
- 風邪をひいて、味がよく分からない、、
- 手袋を付けてのスマホ操作はなんだかやりにくいなあ、、
感覚を感じるセンサーがさえぎられたり、情報が入ってきても脳に十分に伝わらなかったりすると、感じ方は鈍くなってしまいます。
体調不良のときは、味覚や嗅覚などがうまく働かないことがよくありますよね。
足の痺れは、力の調整に関わる固有覚が十分に感じられなくなってしまいます。
手袋は触覚のセンサーをさえぎってしまうので、ものの感触を掴むことができず、操作がやりづらくなってしまいます。
おすすめの本
感覚統合Q&A 改訂第2版 ー子どもの理解と援助のために
いつもリィーノの保護者の皆さんや保育士・教師の皆さんにことあるごとに紹介している本です。
感覚について、とても分かりやすく書かれているので、もっと感覚について学んでみたい方におすすめの本です。
また、よくある困りごとがたくさん載っていて、なぜそれが起こるのかを感覚の視点から説明がされています。
お子さんの対応を考えるヒントになると思います。
さいごに
「感覚過敏」「感覚が鈍い」について調べると、“自閉症”や“発達障害”の文字がいっぱいでてきて不安になる方も多いと思います。
でも!
私たち大人も感覚過敏になったり、感覚が鈍くなったりするということは生活の中で普通に起こり得ること!よくあること!
それを知って頂けると、子どもたちの捉え方が大きく変わってくるかなと思います。
それでは、今日のまとめです。
- 感覚の感じ方は、大人も子どももみんなそれぞれ異なります。
- 感覚の感じ方は、季節や時間帯、その日の体調によっても異なります。
- 子どもだけでなく、大人も日常的に感覚の感じ方が過敏になったり、鈍かったりすることがある。
生活を少しでも楽に過ごすための方法は、お子さま一人一人異なります。
生活に支障を来すほどの感覚の感じ方に違和感がある場合は、お一人で悩まずにいつでもご相談くださいね!
一緒に考えていきましょう。