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【おうちで簡単にできる】力加減に関わる固有受容覚を育むあそびとお手伝い 10選
力加減がうまくできず、いつも乱暴なんです。
筆圧がすごく濃く(弱く)、マスの中に字を書くことに苦労しています。
おうちで何か簡単にできることありますか?
不安定な場所が苦手で、ブランコのような揺れる遊具は乗りたがりません。
もっと身体を動かして遊んで欲しいと思うのですが、何か良い方法はありますか?
これらの背景には、いろんな理由が考えられますが、その一つとして「固有受容覚」のはたらきが関わっています。
- 筋肉にどれくらい力が入っているかを教えてくれる
- 目で見て確認しなくても、自分の手足がどのように動いているかを教えてくれる
などの働きがあります。
固有受容覚のはたらきについては、自分の身体を知るための感覚。「固有受容覚」ってなあに?の記事をお読みください。
固有受容覚をたっぷり味わう活動は、運動・学習・社会性の基盤となります。
力のコントロール、揺れや不安定な場所で遊ぶことの土台になるんです。
寝返りやハイハイなど0歳のころから始まる手足で身体をしっかりと支える経験は、不安定な場所で姿勢が崩れても元の安心できる姿勢に戻れるという自信にも繋がっていくんですよ^^
今回は、固有受容覚をおうちで簡単に育める遊びとお手伝いをご紹介します^^
プロフィール
- こども専門の作業療法士
- リィーノこどもセラピー 運営(6年目)
(発達が気になる、学習につまずきのある子の教室) - リィーノ発達ゼミ運営(のべ250人受講)
(子どもに関わる職種のためのセミナー・ブログ) - 幼稚園・保育所、小中学校の巡回相談員
- 保護者・職員向けのセミナー依頼 年30件以上
固有受容覚を育むあそび 6つ
おうちで簡単にできる遊びを6つ紹介したいと思います。
- のぼりおり
- またぐ・くぐる・すり抜ける
- ジャンプ
- タオル綱引き
- リズムあそび・ダンス
- コインつまみ
1つずつご紹介していきますね!
のぼりおり
小さな段差をハイハイや歩きでのぼりおりをしてみましょう!
のぼりおりをするとき、ググッと手足に力が入りますよね。
このグッと力が入るときに、固有受容覚のセンサーが働いてくれるんです。
小さな段差に不安が高いお子さんの場合は、平面の安定した場所から始めましょう!
段差に挑戦したいときは、5cmまでの小さな段差(タウンページなどの分厚さが最適!)を登ることからトライしてみてください。降りるよりも登ることから始めると取り組みやすいですよ^^
小さな段差で慣れてきたら、敷布団の下に丸めたタオルなどを入れ込んで、不安定な場所を作りその上をハイハイや歩きで通ってもらいましょう。
倒れても自分の身体は元の姿勢に戻せることを知ると、段差などの不安定な場所での活動が取り組みやすくなりますよ。
またぐ・くぐる・すり抜ける
室内であれば床に牛乳パックなどを置いて、ハイハイや歩きでまたいでもらいましょう!
次に、机や椅子の下を通り抜けてもらいましょう。
このとき、身体が置かれたものに当たっていないか確認してあげてください。
障害物に当たらずにうまく通り抜けるためには、どのくらい足をあげなければいけないか?身体をひねらなければいけないか?ということを知っている必要があります。これを教えてくれるのが、「固有受容覚」です。
公園いお出かけしたときは、ジャングルジムやアスレチックコーナーで、思いっきりまたいだり、くぐったり、すり抜けたりといった動きをやってみてね!
ジャンプ
ジャンプをし始めた頃は、普通のジャンプでも全然構いません。
余裕でジャンプができるようになった段階の子どもたちには、ちょっと一工夫してみましょう。
たとえば
・この線までジャンプしてね!
・(紐などを使って)この高さをジャンプで越えて、両足着地をしてね!
・横向きでジャンプをしてね!
などなど
課題があることで、どれくらいの力でジャンプしなければいけないかを考え始めます。
これが、力のコントロールに繋がっていくんです。
また、障害物があることで実際にジャンプできたかどうか目で確認することもできるため、次のチャレンジに向けて、子どもが自分で工夫しやすくなるんです。
この練習は、縄跳びの練習にも繋がっていきますよ。
タオル綱引き
上のイラストのように、立つ場所を決めて、タオルで引っ張り合いっこをしてみましょう!
その場所から出ないように、同じ姿勢をキープすることがポイント。
腰を落として、足の裏でググッと身体が動かないように踏ん張ることができるかな?
普段動き回ることが好きなタイプのお子さんや、同じ姿勢をキープすることが苦手なお子さんとリィーノではよくする遊びです。
同じ姿勢をキープするためには、持久力が必要になります。動き回ることが好きなタイプのお子さんは、瞬発的な身体の使い方は得意でも、持久力が必要となる運動は苦手なこともよくあります。
ぜひ、親子で楽しんでみてくださいね!
リズムあそび・ダンス
小さい頃から音楽に合わせて身体を動かすことが大好きな子どもたちは多いですよね♩
リズムあそびやダンスは、音楽に合わせて、タイミングを合わせ、身体の動かし方を覚えて…と、
まさに固有受容覚のはたらきそのものです。
なかなかふりつけが覚えられないお子さんは、簡単な手拍子のまねっこから始めてみるといいですよ。
コインつまみ
親指と人差し指だけを使って、コインを1枚ずつつまんで手のひらの中に5枚ほど入れていけるかな?
その後、1枚ずつ親指と人差し指の先までコインを戻してこれるかな?
大人は、財布から小銭を出すときや、数枚のコインを持って自動販売機にお金を投入するときに自然とこの手の使い方をしています。
この動きができるのも「固有受容覚」がしっかり働いてくれているからですね^^
中指・薬指・小指にたくさん力が入ってしまったり、反対に弱かったりすると、うまくコインを手のひらの中に入れておくことができません。力のコントロールと手指をバラバラに動かす力が必要になります。
身体を大きく動かす活動が上手になってきたら、手先の細かな活動にも挑戦してみてね!
このコインつまみはなかなか難しいので、最初は1枚ずつつまむだけからスタートしても全然OKですよ♩
固有受容覚を育むお手伝い 4つ
忙しくて一緒に遊ぶことが難しいよ!というご家庭も多いと思います。
生活の中で簡単に固有受容覚を育む活動を4つご紹介します。
- 配膳しよう
- 机を拭こう
- 洗濯物を取ろう
- クッキング
1つずつ見ていきましょう!
配膳しよう
お盆に乗せてこぼさずに食卓までお料理を運べるかな?
配膳は、力のコントロールのオンパレード。
左右をバラバラに動かす力も育むことができ、思い通りに身体を動かす力を自然と身に付けることができます。
最初は、おままごとなどの遊びの中で、紙コップに積み木などを入れて少し重みのあるものを運ぶことからスタートしてみるといいですよ。
机を拭こう
机ふきをお願いしてみましょう!
机を拭くためには、布巾をしぼり、適度な力加減で布巾を机に押し当てながら動かす必要があります。
うまく絞れていないと、水でボトボトになったり。
力を入れすぎると、布巾が手から外れてしまったり。
力のコントロールの練習にはもってこいの活動なんです。
机ふきが上手になったら、お風呂掃除もいい活動になりますよ*
洗濯物を取ろう
洗濯バサミを使って干しているものを取りはずす係をお願いしてみましょう!
肩周りには力を入れず、指先だけにギュッと力を入れて、洗濯バサミを広げることができるかな?
はずすのが上手になれば、洗濯バサミに洗濯物を付けることもお願いしてみましょう。
両手の絶妙な力加減を練習することに繋がりますよ。
クッキング
お休みの日など時間に余裕のあるときは、お子さんと一緒にクッキングを楽しんでみてください。
難しい料理を作る必要はありません。
玉ねぎの皮を剥いたり、かきまぜたり、葉物をちぎったり、冷蔵庫から必要な野菜を取ってもらったり。
クッキングには、力加減が必要となる活動がとても多く含まれているんです。
余裕のあるときに、親子でチャレンジしてみてね!
あそぶ前に気をつけて欲しいこと
固有受容覚を鍛えれば全て改善するわけではない
固有受容覚を鍛えれば、必ずしも力加減や遊びの幅が広がるというわけではありません。
それは、固有受容覚の感じ方が人それぞれ異なることや、つまずいている理由が他にある可能性があるかもしれないからです。
遊んでみたけどうまくいかないときは、1人で悩みすぎずにいつでもご相談くださいね^^
感覚の感じ方については、「感覚の感じ方はみんな違う!?」の記事をお読みください。
子どもの「楽しい!」が大切
子どもたちと遊ぶ中で一番大切なことは、「楽しい!」「もう一回やりたい!」という環境の中で取り組むこと。
私たち大人もしんどい活動は長続きしないですよね。それは、子どもたちも同じです。
また、「楽しい!」と感じているときにこそ、人は成長し発達することも研究で明かされています。
楽しいといってもどうすれば…と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
余裕のあるとき、お子さんが遊んでいる様子を静かに見守ってみてください*
すると、お子さんが夢中になるタイミングや遊びの種類が見えてくるかもしれません。
無理にお子さんを誘って遊ぶ必要はないですよ^^
まとめ
いかがでしたか?
最後まで読んでくださった方は、
え?こんな遊びで育めるの?と思った方もいらっしゃるかもしれません。
本当に生活や遊びなど日々の何気ない活動の中で、子どもたちに必要な力は育んでいけるのです。
あまり気負わずに、ママパパに余裕があるときに一緒に楽しんでくれたらなあと思います。
それでは、まとめです。
- 固有受容覚は、力加減やどんなふうに身体が動いているのかを知らせてくれる働きがある。
- 固有受容覚は、グッと力が入る活動の中でセンサーが働く。
- 手足で身体を支える経験は、揺れや不安定な場所でも安心して遊べる力へと繋がっていく。
- 遊びや生活の中で、固有受容覚を育むことができる。
- 固有受容覚の感じ方は人それぞれ。
- 人は、楽しい!と夢中になる活動の中で、一番学び成長していくよ!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました^^